あらすじ
大学進学を機に、叔母である親戚の家でお世話になることになった主人公、相川圭介。
そこで彼を待っていたのは、心を閉ざした小さな従妹、倉上美咲との出会いだった。
人見知りが激しく、誰とも視線を合わせようとしない美咲。
圭介は、彼女がぬいぐるみにだけ心の内を打ち明ける姿や、長期出張中の父を想い一人涙する姿を偶然見てしまい、彼女の抱える深い孤独を知る。
不器用ながらも、温かいホットミルクを差し出すなど、根気強く彼女に寄り添おうとする圭介の優しさに、美咲の頑なだった心は、少しずつ雪解け水のように溶け始めていく。
しかしある日を境に、美咲は圭介のことを「圭介お兄ちゃん」と呼び、本当の兄のように慕い、素直に甘えるようになる。
大学で圭介に明るい女友達ができると、可愛らしいやきもちを焼いたり、小学生の男の子にからかわれたところを圭介に助けられて以来、その甘えっぷりはさらに加速。
夜には「一人で寝るのが怖い」と嘘泣きを駆使して圭介のベッドに潜り込み、食事の時には「あーん」をしてあげようとするなど、その距離感は日に日に縮まっていく。
これは心を閉ざした少女が、不器用で優しい「お兄ちゃん」との出会いによって、笑顔と夢を取り戻していく、温かくて少しだけ甘酸っぱい、一つ屋根の下の物語。