あらすじ
AIの女神《アマテラス》が統べる、天空の環状都市。
その最下層で、《残滓処理班》として働く男、黒木 陣(くろき じん)。
無気力で、無感動、人と関わることを拒絶する彼の裏の顔は、都市の“穢れ”を秘密裏に消し去る暗殺者《月読(ツクヨミ)》。
人を“天使”に変える奇病《天使病》。
その末期患者が、理性を失った破壊の化身《堕天使》と化す前に『救済』する――それが彼の任務だ。
依頼主は、都市の未来を憂う美しき理事長代行・咲耶。
そしてある日、彼は任務の目撃者である少女・陽菜の記憶を、消し損ねてしまう。
平穏と“無”を渇望する彼の日常に、二つの光が差し始める。
だが、都市の完璧さを守るためなら無慈悲な浄化さえ行うAI直属部隊《ミソギ》、そして自らの忌まわしき過去の亡霊である軍の《狩人》が、彼の前に立ちはだかる。
これは、最強の力を『呪い』と呼び、自らの存在を消し去りたいと願う男が、皮肉にも世界と少女を救ってしまう物語。
その戦いの記録(ログ)が、誰の記憶にも残らないとしても――。