あらすじ
時は大正、目覚ましい発展を遂げる帝都では、禍物(まがぶつ)という異形が現れるようになり、異能持ちの禍物祓い(まがぶつはらい)の活躍で平和と安全が保たれていた。
両親を失い貧困にあえぐ華は、幼馴染の百合塚孝臣(ゆりのづかたかおみ)と東京駅で十年ぶりに再会する。百合塚家は代々禍物祓いを輩出する名家だが、孝臣は異能を持たず禍物祓いにはなれなかった。そんな彼は、見合い話の回避と家族への意趣返しから華に契約結婚を持ち掛ける。
華は戸惑いつつも申し出を受けるが、孝臣の母はこの結婚を「おままごと」と軽んじ、華を「釣り合わない」と見なしていた。さらに孝臣は禍物祓いの兄・光治への劣等感と職場での偏見に苦しんでいる。契約だけの関係のはずが、華は次第に孝臣の孤独に心を寄せるようになり——。
大正浪漫薫る帝都を舞台に描く、身分の壁を越えた愛の物語。