あらすじ
世界には、人の行いを測る見えざる秤が存在する。人間は生まれながらに善にも悪にも属さず、いわば「灰色」の存在である。しかし日々の行動――助け合い、慈しみ、正義のための選択などを重ねれば、その魂は光を帯び、やがて「天使」へと近づいていく。逆に、暴力や裏切り、欲望のために他者を傷つけ続ければ、その魂は闇に沈み「悪魔」へと堕ちる。
善行を重ねるごとに魂は「羽根」を生み出す。最初は柔らかな一本の羽根にすぎないが、積み重なることで翼となり、飛翔の力を得るだけでなく、光の武器や防具を具現化できるようになる。天使化が進むにつれ、癒しや浄化、結界など仲間を守る力が増していき、最終的には一つの都市や大陸を守護するほどの存在に至る者もいる。
一方、悪行を重ねる者には「角」や「爪」といった異形の兆候が現れる。やがて身体は変貌し、人間だった頃の面影を失うほどに進化する。悪魔は圧倒的な力を誇るが、その心からは善意という概念が完全に消え去り、人々を苦しめることこそが存在理由となる。彼らは破壊と支配を求め、やがて天使と敵対する宿命を背負う。
中にはどちらにも大きく傾かず、羽根と角を同時に持つ「灰色の者」もいる。彼らは天使の加護と悪魔の力を併せ持つが、いずれかへ完全に成りきることができないため、周囲から恐れられ、時には利用される存在となる。
この善と悪は絶対であり、誰も逃れることはできない。ただ一つの善行や悪行で運命が決まるのではなく、生涯にわたる積み重ねが魂の形を決めていく。そして一度「完全な天使」あるいは「完全な悪魔」に至った者は、二度と人間へは戻れない。