あらすじ
男子校なんて行くもんじゃない。青春をドブに捨てたようなもんだ。僕はつくづく思うよ。小学校の時の友達はクラスの女の子たちと楽しそうなのに。おまけに進学校なもんだから、周りに付いていけずにすっかり落ちこぼれちまった。部活のバスケも全然上手くならないから、早くも幽霊部員さ。毎朝学校に行って、理解できもしない授業に耐え、放課後は部活の先輩に見つからないように学校から逃げ出す。あと5年も我慢しなきゃなんない。そうさ。中高一貫男子校。おまけに東大合格者数ランキングで常に全国10位内には入る超高偏差値進学校。最悪だ。2年前の自分に言いたいよ。少し勉強ができたからって調子に乗んなよ。親の甘言に騙されて中学受験なんかするなよ。わ、部活の顧問に捕まっちまった。なんですか? 先生のおじさんの手伝いでヨットレースに出ろ、ですって? えっ! そしたら部活サボりを大目に見てくれるんですか? 分かりました。行きます、行きます。どのみち選択肢なんてないんですよね? そんなわけでマリーナに来たけれど……あれ? あれって小学校の時、塾で隣の席だった阿久津さんじゃないか。相変わらず、いや、ますます美少女だな。あっ、向こうも気づいたみたい。笑いかけてくれたぞ。灰色だった僕の世界がカラフルに染まっていく予感……