あらすじ

不死の病を患い、三十年以上にわたって高校生活を繰り返す永見四季。老いることも死ぬこともないその体は、どんなに傷つけても元通りになる。愛する人との別れを恐れ、誰にも心を許さず孤独に生きる彼の世界は、常に静かで退屈だった。 九度目の高校生活で、彼は心臓病で長期入院していた同級生、瞬日星来と出会う。儚くも生きることにまっすぐな彼女は、心を閉ざした僕に屈託なく声をかけ続ける。最初は拒絶していた僕だったが、彼女の純粋な輝きに次第に惹かれ、初めて「失いたくない」という感情を抱く。僕は、彼女の存在が自分の止まっていた時間を動かし始めたことに気づく。 しかし、星来に与えられた時間は残りわずかだった。彼女は心臓移植手術を受けることになるが、その結果、二人は二度と会えなくなる。絶望に打ちひしがれ、再び生きる気力を失いかけた僕に届いたのは、彼女からの最後の手紙。「前を向いて必死に生きてほしい」という、たった一つの願いが込められていた。 彼女の短い一生が、死ぬことすらできず、人生を諦めていた僕の価値観を根本から変えた。僕は彼女の願いを胸に、高校生活を終え、これまでとは全く違う道を歩むことを決意する。 それから六年の月日が流れ、僕は医師として循環器内科で働き始めた。彼女を苦しめた病を学び、同じように苦しむ人を助けるためだ。そして、僕自身の不死の病についても研究を始めた。誰よりも真剣に「生」と向き合う日々。それは、僕の人生に春をくれた彼女が、僕にくれた新しい未来だった。彼女との思い出は決して消えることなく、僕の中で永遠に輝き続ける。

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カクヨム
カクヨム2025/08/28
  • 現在の作品僕の春は、君の一生に咲く