あらすじ
かつて、魔族の国は平和と共存を望む国であった。
しかし、人間の王国の貴族たちは「魔族は人類の敵」という虚偽の歴史を広め、やがて大規模な侵攻を開始。
無垢な魔族たちは抵抗むなしく滅び、誇り高き魔王と妃も討たれた。
魔王城に残されたのは、幼い二人の姫だけ。
姉は絶望と憎悪に呑まれながらも、愛する両親の遺志を継ぐために最後の力で一体の人形を作り上げる。
それはただの魔術人形――のはずだった。
気が付くと、その人形の中には異世界から転生してきた誰かの魂が宿っていた。
生前の記憶は曖昧で、自分が何者でなぜこの体に入ったのかもわからない。
だがひとつだけ確かなのは、人形の身ではなく「人として生きたい」という願い。
アルディスという名前をつけられた彼(?)は、姉妹の姫と共に失われた魔族の国の再建を誓う。
その過程で、魔族は人間が語るような恐ろしい怪物ではなく、むしろ誰よりも温厚で純真な種族であったことを知る。
だが、人間の国では「魔族は悪」という偽りの歴史が常識となっており、復興の道は険しい。
依存心から主人公に寄り添う姉姫は、やがて自らの意思で未来を切り開こうと成長していく。
人形の身であるアルディスの最終目標は、「理の祠」と呼ばれる伝説の場所に辿り着き、人間の肉体を得ること。
その道中、仲間を集め、隠された真実を暴き、偽りの歴史を打ち砕く戦いが待ち受けていた。
――これは、滅びた国を取り戻そうとする姫たちと、
人の身を求めて戦う魔術人形の、再生と希望の物語である。