あらすじ
『アンナ・カレーニナ』
現代版『アンナ・カレーニナ』 詩
硝子の塔に
飾られた笑顔
「完璧な妻」と
タグ付けされた私
拍手の裏で
ひび割れる心
夜ごと通知に
名を刻まれる
――愛は禁じられた旋律
耳を塞いでも
胸の鼓動が暴き出す
炎に飛び込む蝶のように
私はあなたに触れた
未来を失う代わりに
ほんの一瞬の自由を抱きしめて
世界はスクリーン越しに私を裁き
夫は無言の壁を築き
息子の笑顔すら
遠ざけられていく
――列車の轟音
人の群れの視線
最後の孤独が
私を押し流す
もしも私が花なら
散ることを知りながら
咲かずにはいられなかったのだろう
けれど
あの日の陽だまりの中で
あなたと笑った瞬間だけは
永遠に消えない