あらすじ
「んんんー、むほっ、んーふふ、むふっ……」
朝のオフィス。パソコンに向かっていたおれは、手を止め、隣の席の井上にちらっと目をやった。
で、すぐに後悔した。奴が視界に入った瞬間、強烈な不快感が込み上げてきた。
井上は椅子に深く沈み込み、両腕で自分を抱きしめ、足を絡み合わせ、まるで殺虫剤を浴びた芋虫のようにくねくねと悶えていたのだ。
その顔はにやけきっており、口からは「むふっ」とか「あふぅ」とか、気色悪い声が漏れている。何か良いことがあったらしいが、実に気持ち悪い。おれは見なかったことにして、視線をモニターに戻した。