あらすじ
中学時代、砲丸投げ選手だった進は、高校入学直後の音楽の授業で、同じクラスの摩耶のピアノ演奏を聴き衝撃を受ける。
腕の不調から砲丸投げをやめていた進は自分も弾いてみたいと摩耶に頼み、手探りでピアノを始める。初めは怪訝な気持ちで進に接していた摩耶だったが、真摯な進の態度に次第に興味が湧く。中学時代から摩耶と付き合っている柊はこれに気づき、危機感を抱く。
そんな時、進は陸上部の倉庫で、新米陸上部員である美夕が蹴飛ばして閉めた扉に手を挟み左手に大怪我を負う。摩耶は、入院中リハビリをやりながらでもピアノへの想いを抱き続ける進を知り、柊と進の間で気持ちが揺れる。
その進は偶然入院中に腕の不調の原因が難病であることが発覚し、治療のため転院・転校することになった。
ひとまず退院した進は、摩耶が見守る中、月明かりが差し込む音楽室で憧れのピアノソナタ「月光」を右手で演奏、摩耶に感謝と転校を告げて立ち去る。その直後、切ない想いに満たされる摩耶の前に現れたのは柊。柊は摩耶の前で想いの丈を表す。
一方、やり切れない気持ちを抱えたまま、転校の準備のため、冬休みに学校を訪れた進の前に突然美夕が現れる。ずっと事故の責任に胸を痛めていた美夕は、進の転校の噂を聞き、休み期間も毎日学校に来ていたのだった。美夕の想いを知った進は改めて心洗われる。
進が転校して2か月後の春休み、音楽室の摩耶のもとに美夕が現れる。美夕が摩耶宛に預かって来たメッセージと写真は、再びの、春の訪れを示していた。
バックにベートーヴェンのピアノソナタ“月光”が流れています。月の光が降り注ぐような、静かなメロディと、それに重なる一人一人の想いを感じて頂けたら幸いです