あらすじ
あらすじ
天の高御原に生まれた三柱の神、太陽を司る天照大神、海原を統べる須佐之男命、そして夜を支配する月読尊。月読尊は女神でありながら感情をほとんど表に出さず、冷たい美貌と静かな声で人々を畏怖させた。しかし、その冷たさの奥には、夜ごと人々の祈りや子供の眠りを密かに守る優しさが隠されていた。
ある宴で、月読尊は秩序を乱す保食神を斬り、その血から稲や麦を生み出す。怒る天照大神と袂を分かち、月読尊は「月姫」と呼ばれ、影の国に沈む。その後も、旅人や病に苦しむ者、死者を送る者たちは月姫に祈り、彼女は冷たくも優しい月光で人々を見守り続ける。
やがて地上を脅かす魔が現れると、月姫は冷たい銀光でそれを討ち、夜を守る。その振る舞いは冷ややかで孤高だが、凍てつく夜に寄り添う月光は、人々に確かな救いをもたらす。月読尊は決して太陽のような温かさは持たないものの、不器用ながらも確かに人を守る影の女神であった。