あらすじ
かもめ笑っておくれ
港町の真夜中に
灯りひとつ揺れる窓
そこに立つ女は
誰にでも微笑みを投げかける
おいらは文無しのマドロス
花一輪さえ買えぬ身で
ただ濡れた石畳を
行ったり来たりしているだけ
ドアの隙間からこぼれる笑い声
そのたび胸は波にさらわれ
熱く 冷たく 掻き乱される
かもめよ 白い翼で
この愚かな恋を嗤ってくれ
夜風にちぎれる心ごと
遠い沖へ運んでおくれ
おいらの恋は本物だ
だが手を伸ばせば砕ける波
真夜中の港に残されて
ただ願うのは――
かもめよ かもめよ
泣かずに笑っておくれ