あらすじ
ひとり暮らしの会社員・藤原啓星(ふじわらあきとし)は、過去に職場でのパワハラや暴力を受け、心に深い傷を抱えていた。
誰にも頼れず、優しさにも飢えたまま、何度も夜をひとりで越えてきた彼のもとに、ある日、隣室へ越してきた関西弁の青年・夏川基(なつかわはじめ)が現れる。
人懐っこい笑顔と、おせっかいなほど真っ直ぐな言葉。最初は警戒していた藤原だったが、やがてふたりは晩ごはんを一緒に囲むようになり、少しずつ、凍った心が溶かされていく。
けれど、藤原が密かに抱えていた「自分なんて生きている価値がない」という想いは、簡単には消えてくれない。
それでも、夏川は彼の手を取り、言う。「これからは俺がいるから」——。
温かい食卓と、小さな愛が、生きる理由に変わっていく。再生と救いの物語。