あらすじ
左腕に薄黒い痣を持つ少女、天都澪(あまつみお)。
澪のいる四ツ谷村では、「百年に一度、蛇目神社に生贄を捧げなければ、白蛇様の祟りで大火に見舞われる」という言い伝えが残っており、そのたびに村から娘が選ばれ、生贄として捧げられていた。
澪は痣を持つがゆえに、育ての親や村人からも気持ち悪がられており、厄介払いも兼ねて、十八歳の誕生日に生贄として蛇目神社に連れて行かれてしまう。
しかし、そんな澪に声をかけたのは、白髪に赤目を持つ蛇目白李(じゃのめはくり)という青年だった。
村では生贄になった娘はみんな戻ってこず、喰われていると聞かされていたが、実際は蛇目神社のさらに奥にある山を越えた町へ連れて行かれ、そこで新たな人生を送っていると澪は知る。
澪も同様に天城町という白李の家がある場所まで連れて行かれ、今後についての説明を受ける。
白李は町では有名な商家の息子であり、働き口はいくらでも斡旋できるという。
しかし、澪は自分の左腕に痣があり、今では肘から下が薄黒くなっているため、きっと働きに出ることは難しいだろうと悟る。
白李も澪の痣には気づいており、澪の痣に触れ、ならばこの家で仕事をしないかと提案する。
しかし、その仕事というのは、白李の仮初の妻になるというものであった。
困惑する澪であったが、白李からは自分を迫害するような雰囲気を感じ取れないこと、また白李自身も自分は人間に見えるが人間ではないのだ(神の使い)と明かされたことで、澪は自分のような異物でも受け入れてくれるのではないかと考える。
そうして、ここに置いてくれるのならと白李からの提案を飲み込み、契約結婚という形で白李の仮初の妻となるが――。
※全部で7万字程度です
※誤字脱字ユレ等、ご容赦いただけますと幸いです