あらすじ

『最後の一葉』

窓辺に揺れる 蔦の葉
秋風にちぎられ ひとつ、またひとつ
冷たい雨が叩くたび
少女の心も はがれ落ちてゆく

「葉が尽きたら わたしも終わる」
声はかすれ 息は白く
希望の灯は 今にも消えそうだった

けれど――
嵐の夜を越えて
朝の光に残っていた一枚の葉
雨に濡れても 風に打たれても
枝にしがみつくその姿は
生きよ、と告げる緑の祈り

彼女の胸に 小さな炎が灯る
まだ終わらない、まだ生きたい
涙はあたたかく頬を伝い
虚ろだった瞳に 再び輝きが宿る

だがその葉は 絵筆で描かれた命
老いた画家の 最後の傑作
己の体温を差し出し
若き命に 未来を描いた

冬の風が吹いても
その葉は決して散らなかった
犠牲の色に塗られた緑が
永遠の生命を そこに刻んでいた

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アルファポリス
アルファポリス2025/08/27
  • 現在の作品『最後の一葉』