あらすじ
現代版『夏の夜の夢』
夜のフェスティバル
光るスマホの画面に
「相性99%」と告げる通知が走る
恋は矢ではなく
アプリのバグで狂い出し
誰もが違う誰かを抱きしめる
都会を逃れた森の奥
スピーカーからこぼれる低音が
心臓の鼓動とすれ違う
愛していたはずの人の名を
指先が消去し
見知らぬ名を保存する
夢なのか
現実なのか
朝焼けが答えをくれないまま
ひとり笑い、ひとり泣き
絡まった糸を解こうともがく
けれど
夜が明ければ誰もが言う
「昨夜のことは、ただの夢だった」と
そしてまた
スマホは光り
次の恋の通知を告げる