あらすじ
一日一回、ランダムなスキルが手に入る【スキルガチャ】。それは異世界転生者、相川ヒロトに与えられた唯一のチート能力…のはずだった。しかし、彼が手にするのは戦闘に全く役立たない「ハズレスキル」ばかり。【石をピカピカにする】など、ゴミのような能力しか持たないヒロトは、冒険者ギルドで「ハズレ王子」と蔑まれる日々を送っていた。
だが、彼は諦めなかった。一見無価値なスキルでも、使い方次第で最強になり得る――。その信念を胸に、彼はハズレスキルを組み合わせる奇策に打って出る。ゴブリン討伐では、ダンジョンの床を磨き上げて鏡面に変え、光の乱反射で敵の目を潰すという奇策で圧勝。さらに、隠しダンジョンでスキル同士を合成できる【合成の石板】を手に入れたことで、彼の運命は大きく動き出す。
【相手の戦闘力を表示する(格下限定)】と【猫の言葉をニャーと翻訳】という二つのゴミスキルを合成し、格下の思考を読める索敵スキル【マインドエコー】を創造。そのユニークな能力はギルドマスターの目に留まり、ヒロトは国の最大の謎である魔境【不帰の森】の調査官に抜擢される。
護衛のAランク冒険者セリアからの侮りも、旅の途中で引く珍妙なスキルで覆していく。【川をゼリー状にする】スキルで渡れないはずの激流を突破し、【けたたましい火災報知器の音】で音なき暗殺者を無力化。常識では計れないヒロトの戦い方は、エリートであるセリアの心を動かし、二人はやがて背中を預け合う本物の相棒となっていく。
森の呪いの元凶は、孤独ゆえに人々を眠らせる巨大な花だった。武力も魔法も通用しない精神攻撃に対し、ヒロトが最後のガチャで引き当てたのは【偽りの記憶を植え付ける】スキル。彼は力ではなく対話を選び、花に「仲間がいた」という温かい嘘の記憶を与えることでその心を癒し、国を救うという奇跡を成し遂げた。
「ハズレ王子」と呼ばれた少年は、いつしか英雄【奇跡の調停者】と呼ばれるように。これは、ゴミスキルしか持たない男が、知恵と発想の転換で常識を覆し、やがて世界を救うことになる物語の序章である