あらすじ
『油の紳士』が焼け死んでから、もう半年が過ぎる。
『灰の女王』は、未だに王宮から出てこない。
治世に問題はない。相も変わらず、ここ『ゼノピア』は治安が悪い。
それでも『私』が入り浸る、この『ボロを纏った工房』だけは平穏を保っていた。
いつからか忘れてしまったが、小さな頃から、私は夢を見る。
そこにはゼンマイ仕掛けの猫がいたり、喋るシャケがミュージカルをしていたり、真珠の涙を流す猿の男爵がいたり、熊の体をした蜂がヘドロを吐いていたりした。
いつからか、灰の女王がどうやら具合が悪くなってから。
夢の世界には偶に、灰が降ってくるようになり、少しだけ、暗い雰囲気。
いいえ。元から治安は悪かったし、別に気付いてなかっただけで、元から何も変わっていないのかもしれないわ。
夢なのか、空想なのか。
どちらにしたって、気にする必要なんてないわね。
現実には、なんの意味もない。
私は、灰の勇者。
そして、*******。