あらすじ
戦争と震災で荒廃した日本。
政府は「フェミナ・ライフサポート」という――女性の人格を一時的に抜き取り、空の身体を“レンタルボディ”として貸し出す制度を作った。
表向きは生活支援。
だが実際は、女を“人形”にして使い潰すシステムにすぎない。
そんな社会の片隅で、俺は一体のジャンク品を手に入れる。
名前も記録もない、中年の女のドール。
だが――俺は、なぜかその女を「美咲」と呼んでしまった。
言葉も返さず、ただ黙って寄り添う存在。
それでも彼女と過ごす時間は、俺にとって何よりも「日常」であり「救い」になっていく。
やがてその沈黙の奥に隠された真実が、俺自身の記憶を揺さぶりはじめる――。