あらすじ

昭和二十年、四月七日。軍艦大和の甲板上にて調印式が行われた。世に言う「京都議定書」によって規定された降伏文書である。軍艦大和の甲板上で調印式を行うのだから、当然降伏するのは連合国であった。 「では大統領、この降伏文書にサインして貰いたい。まさか嫌とは言うまいね?」 頭髪を全て刈り取りメガネを掛けた男が日本代表として流暢なキングズ・イングリッシュで話していた。後に「白人から世界を解放した男」として讃えられる偉人、東條英機だ。 先程、軍艦大和の甲板と書いたとおり、今にも憤死せんがばかりに顔を面白い色に染め、車椅子に乗って失禁している白人男性は少なくとも数ヶ月前まではホワイトハウスで大統領として存在していた人物である。彼は、自分がなぜこんな目に遭っているのか、生涯理解できなかった。まあ尤も、彼の生涯はそろそろ尽きてしまうのだが。 アメリカ合衆国西海岸でその姿を見せつけるかのように輝く、国家の象徴たるその軍艦「大和」は調印式の相手が車椅子だからと親切にもわざわざ海岸まで寄せて座礁する手前で燦然と停泊していたのだが、多くの白人種は何を勘違いしていたのか威圧的だと思ったらしい。 さて、そんな軍艦大和の甲板で行われた調印式によって、この戦争は終わりを告げた。 それでは、その調印式までの過程を、今回は振り返りたいと思う。 事は、昭和19年の春辺りにまで遡ることとなる……。

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小説を読もう2025/06/17
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