あらすじ
現代版 リア王 《K.I.N.G.(キング)》
《K.I.N.G.(キング)》
ガラスの王座に腰かけた父は
マイクの前で問いかける。
「私をどれだけ愛している?」
答えを競う三人の娘。
甘言は拍手の波に飲まれ、
誠実な沈黙はノイズにかき消える。
分割された王国は
株価のように揺らぎ、
嵐はビルの窓を叩く。
街頭ビジョンに映る老人の顔は
次第に崩れ、虚空を見つめる。
権威は剥がれ落ち、
残るのは裸の魂。
最後に抱きしめたのは
唯一、真実を語った娘。
けれどその胸は冷たく、
都市のネオンに照らされて眠っていた。
夜明け、誰もが知る。
KING とは名であり、同時に罠。
王冠よりも重いのは
「愛を正しく測れなかった」という
ひとりの父の涙だった。