あらすじ
既出の、
🔵長安変奏曲(古代~近世官能シリーズ③)、https://bit.ly/4ltXy2W
を完結させていますが、
🔴倭国を記述した中国史書(『漢書』から『新唐書』まで十巻)、https://bit.ly/4ft4XNi
を書いているうちに史実と異なる内容であったことに気づきました。空海の時には既に亡くなっている阿倍仲麻呂を登場させたり。
そこで、
🔴新編 長安変奏曲 Ⅰ(古代~近世官能シリーズ⑦)、https://bit.ly/410wYps
で、「長安変奏曲」で不足していた史実調査と時代背景の描写を追記して全面的に改定いたしました。
🔴インドの官能(古代~近世官能シリーズ①)、https://bit.ly/4lmbagf
で登場していた夢魔のスナーヤミラーとマイトリーイの天竺での前日譚、「ヒラクラ王の破仏」で起こった天竺での仏教の衰退と夢魔たちが天竺を離れ東征した後日譚を追記いたしました。
🔴新編 長安変奏曲 Ⅱ(古代~近世官能シリーズ⑦) 🅽🅴🆆!
では、逸勢、空海、葵、小蘭、小梅たちの日本帰国・渡航編となります。
新編 長安変奏曲 Ⅰ「第19話 逸勢の御礼接待」(https://x.gd/E3byj)で、遣唐大使藤原葛野麻呂が帰国(最澄も同じ船で帰国)し、遣唐判官高階遠成が長安に残って、空海たちの面倒を見ることになりますが、高階遠成も805年10月に帰国が決まり、空海・逸勢は、高階遠成の帰国の遣唐使船で一緒に帰国することに。逸勢が、唐で知り合った面々にどうするか尋ね、葵・小蘭・小梅が同道することになります。
【新編 長安変奏曲 Ⅰ 目次】
【第1章 長安へ】
第1話(1) 長安の酒肆の夜
第1話(2) 長安の酒肆の夜
第2話 遣唐使たちの船出
第3話(1) 長安の娼館の夜
第3話(2) 長安の娼館の夜
【第2章 夢魔との旅】
第4話 スナーヤミラーの誘惑
第5話 スナーヤミラーの甘美
第6話 マイトリーイの堕天
第7話 ミヒラクラ王の破仏
第8話(1) 空海たちの長安への旅
第8話(2) 長安に到着
【第3章 逸勢の長安】
第9話 唐の貞元21年の長安
第10話 揚州の遊び女
第11話 長安の娼婦たちの休日
第12話(1) 橘逸勢の夜遊び
第12話(2) 橘逸勢の夜遊び
第12話(2) 橘逸勢の夜遊び 改訂版
第13話(1) 葵の初めての…
第13話(2) 葵の初めての…
第14話 花月楼の借金
第15話 大逆転
第16話 最後の大勝負
第17話(1) 小蘭と小梅
第17話(2) 小蘭と小梅
第18話 住居建築が3Pに影響するんじゃね!
第19話 逸勢の御礼接待 ◀️ 今、ここ。
第20話(1) 賭場『花月楼』の死闘
第20話(2) 賭場『花月楼』の死闘
第20話(3) 賭場『花月楼』の死闘
【新編 長安変奏曲 Ⅱ 目次】
【第4章 京都へ】
第1話 空海と逸勢の帰国
第2話 古代の女の船旅
第3話 水主の説得
【第5章 天細女命と遣魏使節】
第1話 若きウズメ
第2話 遣魏使節1
第3話 遣魏使節
【第6章 葵、小蘭と小梅と京都】
第1話 逸勢の京の新居
第2話 京の小蘭と小梅、葵の娘
第3話 高雄山寺(神護寺)の賭場
第4話(1) 夢魔と朝廷
第5話(2) 夢魔と朝廷
第6話(1) 夢魔と最澄
第7話(2) 夢魔と最澄
【第7章 逸勢と葵の娘】
第1話 逸勢の死
第2話 逸勢と葵の娘
【第8章 その後の長安】
第1話 翠蓮と玉梅
第2話 エレナと碧月
第3話 佐伯、高橋と王氏
【新編 長安変奏曲 補足編 目次】
登場人物と大唐帝国の娼婦事情
強力美女軍団の特徴
秦と前漢の違い、さらに唐代との比較
唐代の経済と社会
唐長安の低級・高級娼館の閨房の様子
804年の遣唐使一行の予算と所持金
長安博牌、長安の博打
時は、延暦24年(805年、唐の貞元21年)、若き空海(31歳)と最澄(38歳)は、第16次遣唐使留学僧として長安に入った。唐の徳宗の治世末期(貞元21年)に当たり、長安は大唐帝国の首都として政治・経済・文化の中心であった。長安は、隋代に建設された大興城を基盤とし、東西約9.7km、南北約8.6kmの巨大な碁盤目状の城郭都市だった。外城は長方形で、108の坊(方形の区画)に分けられ、碁盤目状の街路が整備されていた。主要な通り(朱雀大街)は幅約150mもあり、馬車や人々が往来する壮観な光景が広がっていた。805年頃は、安史の乱(755年12月16日 - 763年2月17日)後の復興により、街路の整備が再び進んでいた時期だった。外城は12の主要な門(明徳門、朱雀門など)で守られ、門楼は壮麗な木造建築で、瓦葺きの屋根が陽光に輝いていた。夜には門が閉じられ、坊ごとに夜間通行が制限される厳格な管理が続いていた。
登場人物
⚫️ 空海:31歳
真言宗の開祖となる僧。密教の理屈で誘惑を正当化し、スナーヤミラーやエリナに溺れる。
⚫️ 最澄:38歳
天台宗の開祖となる僧。仏陀の例を引き合いに出し、マイトリーイや翠蓮、玉梅に負ける。
⚫️ |藤原葛野麻呂《ふじわら の かどのまろ》:50歳
空海・最澄らを率いる遣唐大使。葛野麻呂は、落ち着いた物腰と老練な外交手腕を持つ貴族で、朝廷の信頼を一身に背負う。
⚫️ |石川道益《いしかわ の みちます》:40歳
実務に長けた真面目な性格で、遣唐使らの秩序を保つことに心血を注いでいた。彼の几帳面さは、使節団の結束を支える柱だった。
⚫️ |橘逸勢《たちばな の はやなり》:30歳
学問僧で詩と書に優れた風流な若者。空海と語り合う中で互いの志を認め合っていた。逸勢の明るく開放的な人柄は、遣唐使らの緊張を和らげる存在だった。しかし、おっちょこちょいで、場末の娼館「紅花楼」の娼婦、小蘭に金を盗まれ、空海から金を借りたりする。
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《《強力美女軍団》》
⚫️ スナーヤミラー:年齢不詳(外見は20歳前後)。第1話に登場
インド(天竺、マガダ国)から飛来した夢魔で、半透明の幻影のような姿で現れる。女の姿では、薄絹のサリーをまとい、黄金の刺繍が月光に輝く。腰をくねらせ、扇情的な舞踊で空海を誘惑し、時に男性形態の稚児に変化して少年のような魅力を振りまく。足首には金鈴を付け、動くたびにカランカランと妖しい音が響く。
「インドの聖なる川のほとりから来たけん、長崎弁みてえな中国語を喋るっちゃね」と、柔らかく抑揚のある中国語で囁く。彼女(彼)の目は夜の星のように輝き、触れることすらできない幻影の体で、仏僧の心を惑わす。
⚫️ マイトリーイ:年齢不詳(外見は19歳前後)。第1話に登場
インド(天竺、ガンダーラ)から飛来した夢魔。元は女性修行者だったが、悟りの果てに夢魔となり、半透明の姿で長安に現れる。女の姿では、薄い絹の衣に仏教の蓮華模様を刺繍し、流れるような舞で空海を誘惑。男性形態では、稚児の姿で清らかな微笑みを浮かべ、経典を囁くように歌う。足首の銀鈴がチリンと鳴り、幻想的な雰囲気を漂わせる。
「インドの寺院育ちやけん、長崎弁みたいな中国語で話すっちゃね」と、穏やかだが妖艶な中国語で語る。彼女(彼)の声は、まるで風にそよぐ竹林のようだ。
⚫️ |翠蓮《すいれん》:22歳。第2話に登場
揚州出身の漢族女性で、長安の平康坊で高級歌妓として名を馳せる。絹の旗袍(チーパオ)をまとい、蓮の花の刺繍が施された衣装は、身体の曲線を際立たせる。優雅な身のこなしで橘逸勢を騙し、詩と酒で石川道益を誘惑する。足首には翡翠の鈴を付け、歩くたびに涼やかな音が響く。
「揚州の生まれで長安に住んどるから、京都弁みたいな中国語を喋るんやでぇ~」と、柔らかく上品な口調で話す。琴を奏でながら李白の詩を歌い、客の心を掴むその姿は、まるで月下の花のようだ。
⚫️ |玉梅《ぎょくばい》:18歳。第2話に登場
揚州出身の漢族女性で、翠蓮の妹分として平康坊で働く若手歌妓。薄絹の旗袍に梅の花の刺繍を施し、若々しい魅力で橘逸勢を再び惑わし、石川道益の心を揺さぶる。衣装は短めの裙で、動きに合わせて裾が翻る。足首の銀鈴が軽快に鳴り、舞踊は若さと活気に満ちている。
「揚州の生まれで長安に住んどるから、京都弁みたいな中国語を喋るんやでぇ~」と、愛らしい笑顔で囁く。彼女の歌声は清らかで、杜甫の詩を愛らしい節で歌い上げる。
⚫️エリナ:21歳。第2話、第3話に登場
金髪碧眼の突厥(テュルク、北西域の遊牧民)出身の娼婦。騎馬民族の血を引き、平康坊で異国情緒を売りにする。皮革の靴袴に大胆なスリットを入れ、太腿をちらりと見せる淫らな衣装で、橘逸勢と空海を誘惑。腰に巻いた毛織の帯には銀の装飾が輝き、足首の銅鈴がカランと鳴る。
「西域の北の騎馬民族出身だっけがら、東北弁みてぇな中国語を喋るんだず」と、力強く野性味ある中国語で話す。胡旋舞を踊りながら、突厥の戦士のような気迫で客を引きつける。
⚫️ |碧月《へきげつ》:21歳。第2話、第3話に登場
トハラ(大宛、現在のフェルガナ盆地)出身の女性。シルクロードの交易で長安に流れ着き、歌妓として平康坊で働く。薄絹の胡服にトハラの伝統的な幾何学模様を刺繍し、腰を振る舞踊で客を魅了する。窄袖の衣装と短い裙に、足首の銀鈴が軽快な音を響かせる。
「おいらの故郷は西域の馬車が走る国だ、唐の言葉はちょいと荒っぽいんだっちゃ」と、仙台弁のような親しみやすい中国語で話す。箜篌(くご)を奏で、トハラの民謡を歌い、異国の風を長安に持ち込む。
⚫️ |葵《あおい》:16歳。第3話に登場
日本の兵庫(摂津国)出身。遣唐使船に随行した商人の娘だったが、父親の借金のため長安で奴隷として売られ、平康坊の娼館に身を置く。絹の袍に日本の和風の花柄を刺繍した衣装をまとい、優雅な舞で客の目を奪う。窄袖の上衣と短い裙に、足首には小さな銅鈴を付け、歩くたびに軽やかな音を立てる。
「わしの故郷は海と山の国じゃけ、唐の言葉はちょいとたどたどしいんよ」と、広島弁のような温かみのある中国語で話す。和歌を唐詩風にアレンジして歌い、客に日本の風情を伝える。
⚫️ |莎麗《されい》:18歳。第3話に登場
ソグディアナ(康国、現在のサマルカンド近郊)出身のソグド人娼婦。透ける絹の胡服を身にまとい、窄袖の短い上衣と裾が広がる裙で、胡旋舞を踊る。腰に巻いた金糸の帯が光を反射し、足首の銅鈴がチリチリと音を立てる。彼女の舞は、ソグドの騎馬文化を思わせる力強い動きと優雅さを兼ね備える。
「わいの故郷は馬と風の国やけん、唐の言葉はちいとハキハキしとるっちゃ」と、博多弁のような歯切れのいい中国語で話す。葡萄酒を愛し、客と杯を交わしながらソグドの歌を口ずさむ。
⚫️ |瑠璃《るり》:19歳。第3話に登場
ペルシア(サーサーン朝、現在のイラン)出身。安禄山の乱後に奴隷として長安に連れてこられた。薄い絹の胡服にペルシア風の花模様の刺繍を施し、腰をくねらせて踊る胡旋舞で客を惹きつける。衣装は窄袖のチュニックと短い裙で、足首には金色の鈴が鳴り響く。髪には碧玉の髪飾りを挿し、異国情緒を漂わせる。
「おらの故郷はペルシアの砂漠だあ、唐の言葉はちょっこし訛っとるんでね」と、津軽弁のような素朴で力強い中国語で話す。ペルシアの竪琴を弾き、哀愁を帯びた旋律で客を魅了する。
⚫️ |芳蘭《ほうらん》:20歳。第3話に登場
洛陽出身の漢族の女性。かつて地方の名家の娘だったが、家の没落により長安の平康坊に売られた。薄絹の袍(ほう)をまとい、袖口に繊細な牡丹の刺繍が施された衣装で客を魅了する。彼女の舞踊は、洛陽の雅やかな文化を反映し、緩やかな身のこなしで詩を吟じながら舞う。足首には銀の鈴を付け、歩くたびに清らかな音が響く。
「洛陽の花街で育ったんやさかい、言葉は上品な京ことばになるんやわ」と、京都弁のような柔らかく優雅な中国語で話す。琴の名手で、杜甫の詩を歌にのせ、客の心を掴むその姿は月光のようだ。
⚫️小梅:20歳。第12話に登場
漢族(并州出身)。戦乱で家族を失い、人買いに売られて平康坊の南曲にある低級酒肆「醉月楼」に身を置く。薄い麻の襦裙に簡素な花模様の刺繍を施し、素朴な歌で客を慰める。窄袖の上衣と短い裙は動きやすく、足首には小さな銅簪を髪に挿すだけで、鈴は付けない。彼女の控えめな仕草は、庶民の客に親しみを与える。
「わての故郷は戦で焼けた并州や、唐の言葉はちょいと硬いんよ」と、博多弁のような歯切れのいい中国語で話す。簡単な民謡を歌い、醉月楼の薄暗い座敷にささやかな温もりを添える。
⚫️小蘭:19歳。第12話に登場
漢族(洛陽出身)。貧しい商人の娘として生まれ、父親の借金のため平康坊の南曲にある低級娼館「紅花楼」に売られた。薄い麻の旗袍に大胆なスリットを入れ、胡旋舞で客を惹きつける。窄袖の上衣と短い裙に、腰には安物の銅鈴が付いた麻の帯を巻き、動くたびにチリチリと軽快な音を立てる。彼女の大胆な笑顔は、紅花楼の雑多な雰囲気を彩る。
「わしの故郷は洛陽の裏町やけん、唐の言葉はちいとハキハキしとるっちゃ」と、博多弁のような軽快な中国語で話す。胡旋舞を踊りながら、安い葡萄酒を客と交わし、ちゃっかり金子をくすねる。
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《《その他の登場人物》》
⚫️ |張元凱《ちょうげんがい》:25歳。第2話に登場
中堅商家の若旦那、|酒肆《しゅし》「月下楼」の客で|翠蓮《すいれん》の愛人。
⚫️ |盧文浩《ろぶんこう》:25歳。第2話に登場
|酒肆《しゅし》「月下楼」のイケメンの客で|玉梅《ぎょくばい》の恋人。
落ち着いた物腰で絹の|袍《ほう》をまとい、教養ある笑顔が女たちの目を引く。
⚫️ |王志遠《おうしえん》:23歳。第2話に登場
|酒肆《しゅし》「月下楼」のイケメンの客で|碧月《へきげつ》の恋人。
詩を愛する風流人で、|詩箋《しせん》を手に持つ。
⚫️ |趙子龍《ちょうしりゅう》:27歳。第2話に登場
|酒肆《しゅし》「月下楼」のイケメンの客でエリナの恋人。
剣術に優れた豪快な若者で、腰に短剣を差す。
⚫️ |王氏《おうし》:45歳。第3話に登場
|葵《あおい》が買われた娼館「花月楼」の女将
⚫️|陳子昂《ちんしおう》:30歳。第3話に登場
娼館「花月楼」の |漢族《かんぞく》の客
⚫️ |李長福《りちょうふく》:35歳。第3話に登場
娼館「花月楼」の |漢族《かんぞく》の客。葵にちょっかいをかけて、逆恨みし、葵をかどわかす。
⚫️|馬鉄《ばてつ》:40歳。第3話に登場
|平康坊《へいこうぼう》の場末のヤクザ。|李長福《りちょうふく》に雇われて、葵をかどわかす。
⚫️ ヴィシュヌパトラ(Viṣṇupatra)、25歳。第6話に登場
若き婆羅門教の修行者。名は「ヴィシュヌの葉」を意味し、神聖な存在を象徴していた。彼は厳格な禁欲生活を送り、モークシャを追求していたが、心の奥底に抑えた欲望が燻っていた。マイトリーイにより堕天させられる。
⚫️ スーリヤヴァティー(Sūryavatī)、22歳。第6話に登場
村娘。名は「太陽の娘」を意味し、明るく純朴な女性だったが、結婚を控え、秘めた情欲が心に渦巻いていた。マイトリーイにより堕天させられる。
⚫️ 婆羅門僧のガウタマ・シッダールタ、第7話に登場
⚫️ |嚈噠《エフタル》のミヒラクラ王(在位512年–528年)第7話に登場
グプタ朝を滅亡させ、大規模な仏教弾圧が行なった。「ミヒラクラ王の破仏」と呼ばれる。
⚫️佐伯次郎:28歳、第12話に登場
橘逸勢の飲み友達で、安酒屋の酒肆「醉月楼」の常連。遣唐使一行の船員。豪快で剣術に自信がある。
⚫️高橋三郎:26歳、第12話に登場
橘逸勢の飲み友達で、安酒屋の酒肆「醉月楼」の常連。遣唐使一行に随伴した商人。おっちょこちょいだが詩が得意。
⚫️麻の襦裙に紅を塗った唇の熟女:45歳、第12話に登場
安酒屋の酒肆「醉月楼」の女将。高級酒肆「花月楼」よりかなり格下。