あらすじ
冬の国に生まれた少女・一条 光。
彼女は幼い日に、最愛の妹・香を理不尽に奪われた。
母を失い、父に裏切られ、残されたのは血に縛られた宿命だけ。
女が結婚すれば家に閉じ込められ、自由も夢も失うこの国で、光が選んだ道は軍人となることだった。
戦場の冷たい風に身をさらしながら、ただひたすらに妹を探す。
生きていると信じて。再び抱きしめられる日が来ると信じて。
だが、十五年の歳月は二人の運命を大きく引き裂いていた。
国境で交わる姉妹の視線。
その再会は、歓喜ではなく、別れの言葉から始まる――。
血と宿命に翻弄される姉と妹。
失われた家族を求め続ける姉の祈りは、果たして叶うのか。
これは、非情な国に抗いながらも「愛する者を守りたい」と願った、一人の女の物語である。