あらすじ
離島の高校。ある理由で声が出せない美術部の東雲澪。噂で「喋れない子」を知った椎葉陽真は、距離を詰めすぎず、でも諦めずに澪に話しかける。同じバイト先で働き、それから2人は日常を少しずつ重ねる。会話は多くないのに、沈黙の間にだけ届くものが増えていく。
ある日、数年前に陽真の兄・蒼真が交通事故で亡くなったのを知った澪。些細な情景が重なり、澪は陽真への想いを自覚。陽真もまた、澪の沈黙の奥にある確かな言葉を読み取り守りたい気持ちがふくらむ。澪は小学生期の記憶を失っており、声を失った原因も曖昧。
段々、澪の過去が明らかになっていく時、日常に紛れていた細部が急に意味を持ちはじめる。そして、2人はようやく、過去を抱いたまま前へ歩く方法を手に入れる。