あらすじ
「――ローザ・フォン・アルメリア。お前との婚約を、ここに破棄する」
玉座の間に響き渡ったその宣言に、わたしは一瞬言葉を失った。
婚約者である王太子エドワード殿下の冷たい瞳が、まるで廃棄物でも見るかのようにこちらを見下ろしている。
「お前には、もう何の価値もない。病弱で魔力も乏しいお前では、王妃の器など到底務まらぬ」
……ああ、そう来たのね。
いずれそうなることは分かっていた。
殿下が最近、侯爵令嬢セリーヌと親しくしていたことも。
彼女が「新たな聖女」として神殿に持ち上げられていたことも。
だからといって、こうして大勢の臣下の前で断罪されるとは思ってもみなかった。