あらすじ
俺、桜井健太の高校生活は、クラスの隅で息を潜めるだけの平穏なものだった。隣の席の橘玲奈は、誰もが憧れる学園一の美少女。住む世界が違いすぎて、俺には関係ない――そう思っていた。
ひょんなことから二人きりでクラス委員をやるまでは。
他の男子が色めき立つ中、俺だけが彼女を「普通のクラスメイト」として扱った。その日から、彼女の中で何かが変わり始めたことなんて、知る由もなかった。
そして、放課後の教室で、俺は彼女の秘密を知ってしまう。完璧な笑顔の裏に隠された、致命的に不器用でポンコツな一面を。
「お願い、ポンコツなとこ、誰にも言わないで…!」
秘密の共犯者になった俺は、ただ淡々と彼女をサポートする。でも彼女は、そんな俺の「普通」の優しさに、どうしようもなく惹かれていた。これが初めての本気の恋だと、自覚しながら。
これは、自分の恋心に気づかない鈍感な俺と、気づいてほしくてたまらない、恋に焦がれる完璧な君が、もどかしく痛々しい両片思いの果てに、たった一つの本当を見つけ出すまでの、ありふれていて、でも特別な恋の物語。