あらすじ
かつて大陸を統一した帝国は、皇帝崩御とともに跡継ぎ争いの内乱へと沈んだ。
人々は日々の暮らしに追われ、戦乱は遠い噂話としてしか届かぬ街もある。
そんな乱世をあてもなく旅する、一人の剣士がいた。
その名はアルディオ。黒髪に黒革鎧をまとい、背に仕掛けを秘めた両手剣を負う──
かつては帝国の対モンスター特殊部隊「黒曜隊」に属し、身体を鍛え上げ、錬金術で夜目すら得た兵士。
しかし皇帝崩御と部隊内の内紛を嫌って脱走した彼は、いまはただ己の腕ひとつで糧を得る傭兵であり、放浪の旅人である。
時に畑を荒らすゴブリンを討ち、時に古城に棲む魔獣を狩り、血と鉄と魔法の匂いが満ちる乱世を渡り歩く。
大国の陰謀も王家の血筋も、黒衣の剣士には関わりがない。
それでも数々の街と人々を救った彼の剣の軌跡は、いつしか吟遊詩人によって酒場で語られる物語となる──
乱世を彷徨う黒衣の傭兵が織りなす、小さな冒険譚。
血と夜と焚き火の香りが漂う、連作短編ファンタジー『黒衣の剣士アルディオ』