あらすじ
放課後の化学実験室で、松本透は先輩の神崎美月が落とした試験管が「時間の巻き戻し」によって手に戻る光景を目撃する。それは美月にだけ起こる不思議な現象で、透は唯一それを“観測”できる存在だった。二人は秘密裏に研究を始め、やがて美月の能力は「強い後悔の感情」で発動し、常に3秒だけ時間が戻るという法則を発見する。さらに観測者が透に限定される事実から、二人の間に「量子もつれ」に似た特別な繋がりがあると推測する。
研究を重ねるうち、透と美月は互いを大切な存在として意識し、ついには想いを告白する。その瞬間、時空が暴走し過去と未来の光景が重なり合う混乱が起こるが、二人の強い絆がそれを鎮める。以後も実験を重ね、「離れていても影響が及ぶ」ことや、愛情が時空そのものを動かす現象であることを確認。やがて二人は自作の「時空解法装置」で無数のパラレルワールドを目にするが、最も輝いて見えたのは「共に愛し合い、幸せに生きる」現在の世界だった。二人は装置を封印し、与えられた今を大切にすると誓う。
卒業を前に結ばれた二人は、その後も研究者として歩みを続け、結婚し家族を築いた。やり直す必要のない現在の幸福こそが「時空の解法」であると悟り、互いにとっての答えが「愛」であることを確信する。