あらすじ

十七歳の誕生日、交通事故で脳死となった田中陽太は、両親の決断で「メモリー・クライオプリザーベーション」により脳と記憶を冷凍保存された。三十年後の2055年、人工的に培養された若き肉体に彼の記憶が移され、陽太は再び目を覚ます。だが両親は既に亡くなっており、後見人となったのは幼馴染の石川美咲だった。彼女は陽太の復活費用すべてを負担しており、すでに四十七歳になっていた。  再会した二人は、かつて果たせなかった想いを互いに抱き続けていたことを知る。三十年前、美咲は転校直前に陽太へ愛を告げ、二人は約束を交わしていたのだ。しかし時は流れ、年齢差という現実が二人の心を隔てる。美咲は「青春をやり直すべき」と突き放そうとするが、陽太は愛を貫く決意を示し、大学を卒業するまで待ってほしいと誓う。  高校生活の中で、同級生のさくらから想いを寄せられ、陽太は「普通の青春」と「美咲との異常な愛」の狭間で揺れ動く。そんな矢先、陽太の人工肉体に寿命があると判明する。選択肢は再び冷凍保存されるか、意識をデジタル化するか。陽太は後者を選び、肉体を失う代わりに美咲と会話し続ける存在となった。  触れ合うことはできなくなったが、彼らは精神だけの結びつきで新たな愛の形を築く。美咲が日々の出来事を語り、陽太はデジタルの世界での体験を共有する。やがて二人は、将来は美咲自身もデジタル化し、永遠に共に生きようと夢見る。  こうして陽太と美咲は、死も、時間も、肉体さえも超えて繋がり続けるのだった。

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エブリスタ
エブリスタ2025/08/25
  • 現在の作品解凍された記憶、再起動する青春