あらすじ

暑い夏だった。|外縁《ふち》が虹色にゆらめく太陽が、ぼくらの頭上から絶え間なく光熱を放射していた。 「岩は|滑《ぬめ》るから気をつけなよ」  シュウは上体を捻って、こちらを見た。 「前見ないと危ないぞ」  ぼくの忠告は遅かった。彼は砂の上にぽっかり空いた直径三十センチほどの穴に、掃除機でちり紙を吸い込んだような音を立てて落ちてしまった。 「シュウ? ふざけているんだよな」  声をかけても、返事はなかった。次の瞬間、黒い穴が滑って来て、ぼくの足下でぴたりと止まった。  声を立てる間もなく、ぼくは漆黒の闇穴へ音を立てて吸い込まれた。

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エブリスタ
エブリスタ2025/08/24
  • 現在の作品カイ・ジュウ