あらすじ
「鑑定」――それは、物の価値を見抜くだけの、おおよそ冒険者向きでないスキル。そう、誰もが思っていた。
いいや、たいていの鑑定士はそんな存在だった。ただひとり――「神眼」と呼ばれた男をのぞいて……。
辺境の地方都市トリアの貧民街の片隅にひとりの男がいた。居酒屋の厨房でヤル気なく働く中年男。この男こそがかつて「神眼」と呼ばれたアベルだった。アベルの過去を知る者はほとんどいなかったし、アベルも消え去るような暮らしを望んでいた。
しかし、歴史は彼が安穏と過ごすのを許さなかった。
ある日、国を追われた王子レオナルドがアベルの前に現れる。アベルは王子のトラブルに巻き込まれる形で旅に出ることになる。
だが、その旅は、やがて、王国を蝕む巨大な陰謀と、古代遺跡に眠る、恐るべき兵器の謎へと繋がっていく。
呪われた聖女や冒険者を仲間にし、王国の危機に立ち向かう。
「神眼」が、最後に鑑定する、本当の“価値”とは、一体、何なのか。
今、一人の型破りな鑑定士と、その仲間たちが紡ぐ、奇跡の冒険譚が、幕を開ける。