あらすじ
ネット販売事業に失敗し、借金と孤独を抱える青年。彼は社会の片隅に追いやられ、人との関わりを断つように、薄暗い笠松競馬場の雑用係として働き始める。そこで出会ったのは、血統書を持たず、あまりの気性の荒さから安楽死すら検討されている一頭の馬だった。
馬もまた、見捨てられた存在だった。誰もが恐れ、手に負えないと匙を投げる中、青年は自分と同じ「孤独」をその馬の瞳に見出す。衝動的に「この馬を救いたい」と決意した青年は、クビになった元調教師と協力し、無謀とも言える挑戦を始める。
資金繰りは厳しく、競馬界の常識は彼らの前に立ちはだかった。しかし、青年は過去の失敗から学び、チームの活動をSNSで発信。すると、同じように社会から見捨てられた人々から共感と応援が寄せられ、その投げ銭が彼らの活動を支える奇跡となる。
馬の「暴れる才能」を独自の調教法で開花させた元調教師と、馬の心に寄り添う青年。彼らは「地方の怪物」として名を馳せ、ついに日本最高峰のG1レースに出場する。そこで待ち受けていたのは、血統至上主義を掲げる調教師からの冷笑だった。しかし、彼らは愛と絆の力で勝利を掴み取る。
だが、喜びも束の間、馬は深刻な怪我を負ってしまう。再び絶望の淵に立たされた彼らだったが、SNSの応援を胸に、再起をかけてリハビリに挑む。そして、奇跡的な回復を遂げた馬と青年は、世界最高峰のレース、凱旋門賞の舞台に立つ。
雨が降りしきる最終直線、馬は再び制御を失いかける。だが、青年が叫んだ「お前は、ひとりじゃない!」という言葉が、馬の心を奮い立たせる。それは、二つの孤独な魂が、これまでのすべてを賭けた、魂の叫びだった。
血統や常識、孤独や絶望。すべてを打ち破った彼らは、凱旋門賞の頂点で、世界に「希望」という名の新しい伝説を刻む。