あらすじ
かつて地球には、人類と野生動物が共存する文明が存在した。
その均衡を保つため、人類は獣型AI《プロト・ガーディアン》を創造し、生態系の管理と人類の補助を委ねた。
しかし、ある時期を境に、記録は断片化し、文明の痕跡は急速に薄れていく。
残されたのは、AIたちの記憶領域に保存された断片的な映像、音声、そして解析不能な遺伝情報。
物語は、AIたちの集合知《Consensus Core》による議論と観察を通して進行する。
彼らは、かつての記録を再構築しながら、ある「選択」に向けて準備を進めている。
その選択の内容は明示されないが、地球環境の変化、遺伝情報の保管、そして周期的な信号の発信など、複数の伏線が静かに配置されていく。
読者は、AIたちの視点から過去の断片を辿りながら、
「人類とは何だったのか」「記憶は再生に値するのか」「選択とは何を意味するのか」
という問いに向き合うことになる。
物語の終盤、ある静かな決定が下されるが、その内容は語られない。
ただ、地球の空に微かな光が走り、AIたちの記録領域に新たなフォルダが生成される――。