あらすじ
剣と魔法が息づくファンタジー世界「アクアリス」。この世界では、水の女神ハイドラリスが定めた「水道法」が絶対の掟として君臨し、清らかな水の供給と管理がすべての繁栄の鍵を握っていた。
日本の水道プラントで過労死した現場監督・清流 渚(せいりゅう なぎさ)は、32歳の記憶と土木・水道工学の知識を持ったまま、異世界の勇者ミナ・フロウとして転生する。
彼女が召喚された先は、水不足に苦しむ小さな村。
治水工学の知識を活かして水を引くことで彼女は一目置かれる存在になった。
ミナが32歳になる夜のこと、心優しい王サイラス・フォンティスは、ミナに「自分の国の治水管理を依頼したい」と持ちかける
このサイラスがけっこうイケメンで恋人のいないミナは二つ返事でOKを出す。このあたりは前世の記憶もあって、男性経験のない渚の精神が影響している部分も描写する。
しかし、王領の水道インフラは崩壊寸前だった。非効率な水汲み労働、決壊寸前の老朽化したダム、そして未知の毒に汚染された水源。絶望的な状況の中、ミナは転生前の知識と経験を武器に立ち上がる。魔力式ポンプ、ダムの補強、そして魔法と現代技術を融合させたハイブリッド浄水プラント――。ミナの知識と、天才水理士リル・ストリームの協力により、王領は奇跡的な復興を遂げる。
理論派の天才水理士リル・ストリームを仲間に加え、ミナは前代未聞の「水道革命」を開始する。魔力と歯車を組み合わせた**「魔力式ポンプ」で高地へ水を届け、流体力学と現場指揮でダムの決壊を防ぐ。さらに、万物を浄化するという水龍を「討伐」ではなく「解放」することで、その鰓(えら)から天然の超高性能ろ過膜(メンブレン)を獲得。魔法と現代プラント技術を融合させた「ハイブリッド浄水プラント」を建設し、王領に奇跡の清流をもたらしていく。
しかし、その成功は新たな脅威を生んだ。無秩序な水源開発と水の浪費は、やがて大陸全体の水循環バランスを崩壊させ、世界規模の大災害「沈黙の渇水」を引き起こしてしまう。