あらすじ
戦災孤児の少女オーレリアが辿り着いたのは、自分と同じ名の聖女を祀るシャトロワ修道院。聖女の死後五百年の節目にあたる「聖女祭」を数か月後に控え、女子修道院・男子修道院ともに準備に追われていた。
信仰心のなさも災いして修道院での生活に馴染めずにいたオーレリアだが、些細な失言から異端の疑いをかけられ、神判――毒を用いて判決を神意に委ねる裁判――を受けることになってしまう。
絶体絶命の彼女を救ったのは、写本室長の修道士シルヴァンだった。オーレリアのとある能力を見込んだ彼は、自らの破門を覚悟で彼女の身元引受人となる。「レリア」と名を変え修道士に交じって書写作業をすることになったオーレリアは、個性豊かな写字生たちに囲まれつつ、次々に起こる事件や難局をシルヴァンとともに乗り越えていく。
だが修道院の裏では、恐ろしい陰謀が進行していた。修道女たちが消える「聖女の呪い」の真相とは? 聖女祭に隠された真の目的とは?
中世ファンタジー世界の修道院で紡がれる、知と愛の物語。
【登場人物】
<女子修道院>
●オーレリア(レリア)
主人公。十六歳。両親と故郷の村を失った戦災孤児で、遠縁の親戚に育てられた。修道院入りは厄介払いのため。
●クラリス
女子修道院長。盲目。
●ドロテ
副院長。常にクラリスに寄り添い、彼女の目となっている。
●ルネ
規律係の修道女。オーレリアの先輩として面倒を見ている。
●ローズ
修練女。結婚前の修練教育のために修道院に入った貴族階級の娘。
●アリス
突然失踪した薬草係の修道女。ローズの先輩で、オーレリアとも交流していた。
<男子修道院>
●シルヴァン
写本室長兼修道医。新月館(図書館)の実質的館長であり、知識欲が強い。レリアの身元引受人となる。
●ロジェ
写字生のひとり。字は美しいが言葉遣いが悪い。
●ジョアキム
写字生のひとりで、挿画師。寡黙な性格で女性が苦手。
●エリク
写字生のひとりで製本師。写本室一の年長者で、物腰が柔らかく優しい。
●アダン…男子修道院長。病で臥せっており、めったに姿を現さない。
●クロード
副院長。苦労人。シルヴァンを信頼している。
●レオン
資材係の修練士。外見は幼いがレリアより年上。
●リュック
資材係の修練士。最近修道院入りしたばかりで、レオンの指導を受けている。