あらすじ
「君を助けるたび、君との記憶が消えていく」
僕には名前がなかった。感情も、過去も、すべてが空っぽだった。
そんな僕に名前をくれたのは、太陽のような髪を持つ少女、エリアナだった。
彼女と出会い、初めて人の温かさを知った少年。しかし、彼には秘密があった。
異形の怪物を一瞬で消し去る、理不尽なほどの『力』。
その力は、世界を救う奇跡。だが、その代償はあまりにも残酷だった。
――力を使うたび、大切な人との記憶が消え、やがては自身の存在さえも世界から忘れ去られていく――
これは、ただの記憶喪失の物語ではない。
自分の存在が、愛する人の歴史から、世界そのものから「最初からいなかった」ことにされてしまう、根源的な喪失の物語。
「たとえ世界があなたを忘れても、私が絶対に忘れない」
忘れゆく宿命を背負った『虚ろなる救世主』と、
彼の全てを記憶し、世界の理に抗おうとする『忘却の聖女』。
これは、あまりにも切ない運命の中で、たった一つの絆を信じ、世界の残酷な法則に反逆する、二人の愛と戦いの記録。
これは、君と僕が、世界から消え去る前に、最後に紡ぐ物語。