あらすじ
アイディジャパン・サクセスジャパン巨額詐欺事件 ~未公開株の幻影~
アイディジャパン・サクセスジャパン巨額詐欺事件
~未公開株の幻影~
未来は紙に描かれ
金色の文字は
上場という夢を飾った
未公開の扉は
いまにも開かれると囁かれ
二千五百の手が
震えながら署名をした
退職金も
学費も
生活の支えも
すべてが幻影の光に呑み込まれた
豪奢な会議室の拍手
香るシャンパンの泡
インクの匂いのする株券は
ただの白紙に過ぎなかった
崩れ落ちたとき
残ったのは
二百億という傷跡と
「信じた自分を許せない」という嗚咽
有罪の響きは
木槌の低音となって
法廷に沈んだが
戻らぬ時間は砂のようにこぼれ落ちた
――幻の株よ
あなたは一度も
市場に立たなかった
だが
その影に
人の希望と信頼は
確かに消えていった