あらすじ
白い結婚の条件
白い紙に 並んだ文字
「愛せない」「子を育ててほしい」
インクは冷たく 約束は無機質
それでも 私の心臓は かすかに跳ねた
君は君のままでいていい
そう言われた夜の窓辺
街の灯りは 遠い星のように
私だけを置き去りにして 瞬いていた
愛せないと告げる唇は
誰かを愛している証
その確かさに 嫉妬と安堵が交じる
私の居場所は 紙の上にしかないのか
人工の命でも もらわれた子でも
「家族」を形づくることはできるだろうか
血の温もりよりも 心の温もりを
私は信じてみたいと 願っている
愛の欠けた家に
小さな笑い声が響く日が来るなら
それは「幸せ」ではないのかもしれない
けれど
私が幸せだと決めたなら
それはもう 揺るぎない真実になる
白い婚姻届は
無垢でも 虚ろでもない
そこに描くのは
私が選ぶ「条件付きの幸福」