あらすじ

階段は数えれば十二段。 だが、この雑居ビルでは、必ず一段多い。 管理人が、清掃員が、事務員が―― 皆、踊り場に届く前に落ちていった。 段差のズレは錯覚だと人は言う。 反響音のせいだと、湿気のせいだと、理屈を並べる。 それでも、夜に足をかければ、ぬるりとした冷たい手が足首を掴む。 十三段目に立つ女は、水底の死体のように髪を漂わせ、 ただ一言――『一緒に落ちて』と囁くだけだ。 怪異は、恐怖よりも静かに忍び寄る。 いつの間にか、段差の数が合わなくなる。 それが、ここに棲む女の仕業だ。 十二段しかないはずの階段で、今夜もまた誰かが十三段目を踏む。

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カクヨム
カクヨム2025/08/23
  • 現在の作品十三階段の女