あらすじ

首が抜ける。それは昔話の中だけのことだと、誰もが思っていた。 だが、会社の階段の踊り場で、あるいは深夜の台所で。 彼女の首は、音もなく身体から離れてしまう。 最初は驚きと恐怖だった。 次第に、それは上司の嘲笑や、書類の束よりも日常に紛れ込んでいった。 首が座らない――その事実のほうが、むしろ人間の関係を露わにする。 誰かが笑い、誰かが脅し、誰かが封じようとする。 だが首は、どこに座ればよいのかを探し続ける。 座を奪われた存在が、やがてどんな居場所を見つけてしまうのか。 それは怨霊の物語ではなく、静かに馴染んでいく怪異の話。 あなたの隣の席にも、すでに座っているかもしれない。

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カクヨム
カクヨム2025/08/23
  • 現在の作品首の座る場所 ―ろくろ首―