あらすじ
角を命の証とする半獣人の青年・ワケルと、角を狩る使命を背負った人間の少年・カイ。
出会った瞬間から二人は追う者と追われる者となり、森を駆け抜けながら、まるで漫才のような掛け合いを繰り広げる。
「ちょっとでいいんで、その角ください!」
「ちょっともアカンわ! これ無くなったら死ぬんやぞ!」
「じゃあ死んでください」
「人殺し!」
テンポの良い言葉の応酬は、漫才のようなのに、角をめぐる攻防はやがて取り返しのつかない結末を呼ぶことになる。
掛け合うたびに笑えて、ふとした瞬間に胸に残る――。
角を持つ青年と、角を狩る少年の、不安しかない逃走劇のはじまり。