あらすじ
穏やかな日常を送る宝条家。クリエイティブディレクターの行雄と専業主婦の奈津子、そして娘の美咲。一見、何不自由ない幸せな家族。
夏祭りの焼きそばの味をきっかけに、行雄は妻の過去に疑念を抱き始める。去年の夏祭りで、デザイナーの水嶋が作った焼きそばと、奈津子の料理の味が不思議と似ている。夜遅くまで片付けを手伝っていたという奈津子と水嶋の間に、何があったのか。
妻への信頼と湧き上がる疑念の間で揺れる行雄の妄想が、二人の秘密の関係を鮮やかに描き出していく。しかし真実は、時に想像よりも単純で、また複雑なもの。
縁日の賑わいの中で明かされる秘密と、永遠に解けない夫婦の謎を描いた、心理描写を重視した大人の恋愛小説。