あらすじ
この世界にとって、ちっぽけで一滴の勇気しかない人間は、世界の理すべてを変えることはできない。
どんなに剣技を磨いても、どんなに魔力を練っても、世界のほんの一握りの大切なモノすら守ることさえできない運命が、目の前にふりかかる。
なぁ神様。何故僕たちはこの世界に産み落とされたの?
何故知恵というものを与えたの?
その知恵一つが、心を生み、秩序を生み、争いを生み、そして力ないモノへの差別すら生み出してしまった。
だから僕は、恨みきれないこの世界を変える。
世界の哀の感情に押しつぶされた僕の中に眠る感情のために、世界を変え、僕は目の前にある脅威を打ち砕く。
さぁ、創造主よ。貴様の世界そのモノをお前の手から切り離してやる。
これが、僕のロストクラフトとしての最後の戦争だ!
二番目の時計の力によって生み出された世界「イクリプロ」
この世界はアビスという敵対勢力の力と、人族の長きに渡る戦争により、互いの勢力は疲弊し続けている。
そしてついに戦争を終結させた人族の勇者が、平和の象徴として世界の均衡を担っていた。
現在はアビス勢力の残留する蛮族などが、一部地域で被害をもたらす程度。
その蛮族を討伐するために、冒険者という職業が生まれた。
「イクリプロ」の三大大陸「キュストカーヴ」の東にある街「レウートサクス」で重い病で苦しむ妹の為、冒険者家業をしているヒューマンの主人公「リヴァン=ゴールドタイタス」20歳は、仲間の三人と冒険者家業を営んでいた。
そんなリヴァンはある日から何故か毎晩の夢で不思議な光景を目にする。
鏡のように美しい青空を反射する、奥へ奥へと広がる塩湖の上にリヴァンは立ち尽くし、その目の前で純白の羽を広げた天使のような少女が頬を伝う涙を流し、まるで大切な家族に向ける自然で優しい笑顔を向け、何かをずっと語りかけてくる。
俺はその天使の笑顔を見て、この表情がまるであるはずのない遠い昔の記憶を引きずり出してくる、そう感じさせられる。
そして天使の後ろから徐々に強い光が差し、薄れゆく意識の中、唯一聞き取れた言葉。
「ごめんね・・・。」
宿のベッドの上で目を覚ますと、辺りの景色は変わらないが、あの夢を見る度に自分でもはっきりとしない何かが欠如していることが、なんとなく疑問に思うだけだった。
そして、この夢が、彼らをこの地獄の輪廻へと誘う一番目の夢であることに、このときの彼らはまだ知る由もなかった。