あらすじ
家賃が安い。その理由をして、自殺した人間がかつて住んでいた部屋を借りる事になった青年、小早川友晴。彼はそんな特殊な環境の部屋で過ごすうちに、どんどん奇妙な妄想を膨らませていく。
特に同じく引っ越して来たばかりであろう隣人に対して、一度もその住人と出くわしたがない事に拘って、小早川の心中では神秘的な存在として位置づけ、さらに妄想は広がっていった。そこには自分自身への誇大妄想も含まれていた。
だが、職場での自分の思い込み(妄想)によるトラブルから、自分を「世界の救世主」とまで肥大化していた自我が崩壊し、どうしてか今まで超常的かつスピリチュアル的だった、一度も出会った事のない自分の部屋の隣人を、地球を滅ぼしに来た、凶悪なエイリアンと想像し、自分はそれを阻止しなければならない存在なんだ、と決め込み、小早川は包丁を片手に、隣人の部屋に向かった。