あらすじ
あの夏――ぼくはきみの命をもらった
高校一年生の省吾は、極普通の高校生活を送っていた。
あの夏までは。
陸上の100m走。
別になにもいつもとかわらない日常。
省吾は、運動は得意でも不得意でもない。
勉強も普通、身長もなにもかも。
だから、この日も普通に準備体操をして、
記録なんかとは関係ない100m走を授業で走り始めただけだった。
唯、その刻。
雷が走ったような気がして、晴天のトラックに省吾は突然倒れてしまう。
騒がしい声が聞こえたような気がして、それっきり。
省吾は、意識を失っていた。
それが、何もかも変わった夏の始め。
あの日から、省吾の人生は変わってしまった。―――
病院で目を醒ました省吾は、
難病にかかっていると告げられる。
人生の残り時間は、あと数か月。
夏休み一杯までもないくらいの時間。
両親が沢山泣いていて、何だか現実感がない省吾は最後の夏休みを祖母の家で過ごすことになる。
緑豊かな山、田舎の青い空。
そこで、省吾は奇跡と出逢った。
ミルラーー祖母が名付けてかわいがっている白い毛にスポットで焦げ茶の模様がついたシャム猫とかいう種類に似たねこ。
そのネコと、変わってしまった人生の残り時間を、
田舎の青空と澄んだ空気の中で省吾は過ごす。