あらすじ
俺の名前は川本綾木(かわもとあやき)、17歳。
東京から島根県の西部に引っ越してきた、ごく普通――のはずの高校生だ。
だけどな。
「普通」なんて言葉、この学校じゃすぐに吹き飛ばされる。
転校初日。
自己紹介で盛大に噛んで、クラス全員に爆笑される俺。
「終わった……」と絶望しかけたそのとき、ひとりの女子が立ち上がった。
「人間はパンのみにて生きるにあらず! だが米は別だ!」
真剣な顔で叫ぶその少女。
名前は深瀬風(ふかせふう)、通称“ふっかー”。
彼女は歴史の授業で戦国武将に興奮し、化学の実験で錆に感動し、掃除中にブリッジ失敗して雑巾を飛ばす――
そんな 自作名言&厨二病ごっこオタク だった。
しかも、俺を勝手に「あっきー」と命名。
クラスの連中も面白がって定着。気づけば俺はもう“あっきー”として扱われていた。
イカついけど優しい陸上部の太一。
ショートカットでクラス委員の佐藤あかね。
柔道部で豪快な健人。
そして――誰よりも濃すぎる“ふっかー”。
田舎の空気の中で、個性豊かすぎる仲間に囲まれた俺の日常は、笑いとハプニングで埋め尽くされていく。
放課後の帰り道、ふっかーの謎理論にツッコミながら笑う太一。
掃除の時間、床と喧嘩して大クラッシュするふっかーを見て、男子は変な意味で大盛り上がり。
夜、布団の中で思い返すと――なんだか胸がじんわりあったかい。
「明日も、あんな調子なんだろうな……」
俺の田舎ライフは、完全に“名言製造オタク”に振り回される毎日になった。
でも――悪くない。
いや、むしろちょっと楽しいかもしれない。
笑いあり、青春あり、少しのドキドキあり。
厨二病で名言オタクな少女と、転校生の俺が織りなすドタバタ学園コメディ。
これは――
「風の言葉」から始まる、俺の新しい日常の物語だ。