あらすじ
カロンは冥界の渡し守。《こちら》と《あちら》の境界に立つ者だ。彼女の使命はひとつ、死者を運ぶこと。
死者を船に乗せ、送り届けることはあっても、共に歩むことはない。孤独が当たり前のはずだったその日《ほんのひとときの輝き》が、彼女に輪郭を結び、形を持たせる。
禁忌を背負った渡し守と、冥界に堕ちた星。二つの運命が交わる瞬間、闇に閉ざされた星舟は静かに動き出す。
ふたりの旅の果てに、待ち受ける結末とは。
「永遠を費やすはずだった影の心は、ようやく救われ、魂は静かに安らぎに満ちていく――そんな予感があったのです」