あらすじ
時は戦国。綾女姫は元・敵国である早勢国に戦利品兼人質として辛い立場で暮らしていた。
綾女姫は隣国である結衣の国の姫君。
そして結衣の国・牧戸国・佐寿間国で信仰されている豊穀神社の巫女でもあった。
古い伝統を持つ結衣の国に対して、勢力を急拡大した早勢国は戦いを挑み、その戦は百年続いていた。
そして結衣の国は敗北し、綾女姫は早勢国に連れて来られたのだった。
だが夫である波瀬典勝は、妻である綾女姫を顧みようとはせず、四人の側室と15人の愛妾を優遇した。
綾女姫が身分的に正室となっていられるのは、周辺の信仰を集める豊穀神社の巫女である点と、
典勝の唯一の男子である千徳丸を産んでいるためだった。
そんな時、波瀬典勝はその父親である典敏と共に、陸奥遠征に出る事になった。
大殿である典敏は、周辺国の押えと分家へ領主の地位が渡る事を警戒し、
綾女姫と典勝を形式的に離縁し、次男の幸之進と形だけの結婚をさせる事とした。
こうして綾女姫は11歳も年下の幸之進と形式だけの夫婦を演じる事になるが……。
和風ファンタジー恋愛小説です。
【登場人物】
●綾女姫(あやめひめ) 28歳
二十歳を過ぎてから敵国・早勢国に人質として送られてきた。
そこで領主の奥方となるが、元々敵国からの人質としての姫だったため、周囲から白い目で見られ、
姑からも下女同然のひどい仕打ちを受ける。
一年ほどして綾女姫は男児を出産する。
だが妊娠してからは夫の波瀬典勝は彼女を顧みず、城の端に追いやってしまう。
なお生まれ故郷の結衣の国(結衣氏)では同時代に一人の姫が神力を授かる。
綾女姫はこの時代の山神の巫女であり「鳥獣を操る力」を持っている。豊穀神社。
大人しく、全てを運命として受け入れてしまう性格。
●千徳丸(せんとくまる) 5歳
綾女姫と波瀬典勝の子。
波瀬本家の跡取りであり、将来的には早勢国の領主となる身。
父親に似ず、とても優しい性格で母親の境遇を嘆いている。
●波瀬 典勝(はせ のりかつ) 35歳
早勢国の領主。乱暴で残酷な生活。
妻も自分の欲望を満たす人形程度にしか考えていない。
また支配欲と征服欲が強く、周辺国へ戦争を仕掛けている。
腕っぷしは強く、武芸には秀でている。
現在、側室が四人、妾が15人いる。
●波瀬 幸之進(はせ ゆきのしん) 17歳
領主の次男であるが、妾の子であるため、やはり城の本丸から遠ざけられている。
色白で優しい美男子。だがそのために兄に余計に疎まれている。
争い事を嫌い、自然に興味があり、薬草の知識がある。
ただ弓の腕は国一番である。
母親が身分の低い妾であり、苦労の上で若くして死んでしまったため、義姉である綾女姫に同情をしている。
→母親は小さい郷の領主の娘程度にする?そこは他国の飛び地という設定で。それとも旅芸人?
父親と兄の命令で、家督を守るために兄が遠征に行っている間は綾女姫と偽装結婚をする事になる。
●波瀬 典敏(はせ のりとし)62歳
典勝を幸之進の父親。先代の領主。
自分に男子が二人しかない事、分家が領主の地位を狙っている事から、跡継ぎのいる綾女姫と幸之進を
偽装結婚させる。
実質的に早勢国の支配者である。