あらすじ
昭和五十年、西日本の野口町。高校の同級生だった景司と崇は、それぞれ私立大学と国立大学へ進学する。景司は快適な講義室で出席カードを出すだけの大学生活を送り、教授との関係も希薄ながら推薦状を容易に得て、有名企業にすんなり就職。一方、崇は寒い講義室でレポートと実験に追われ、教授に顔すら覚えられず、推薦状も得られず苦戦する。
社会人となった二人は、再び野口町のラーメン屋で再会。推薦状で得た職場の虚しさと、手の傷で得た職場の誇りを語り合う。時代が平成、令和へと移り変わる中、二人は老いてなおラーメン屋で湯気を囲み、人生の意味を噛みしめる。
推薦状は紙切れか、人生の切符か。ラーメンはただの食事か、記憶の味か。昭和の大学生たちの悲喜劇を、ユーモアと哀愁を交えて描く物語。