あらすじ
太陽フレア「ゼロデイ・フレア」が文明の光を焼き尽くし、弱肉強食の摂理が支配する「国際諜報都市カレイドポリス」。さらに、巨大VR空間「カレイドスケープ」のデータ暴走が物理世界を侵食し、街は物理法則が歪む「虚構迷宮(グリッチ・ラビリンス)」と化していた。元諜報員の有栖川玲は、任務中の負傷と極度の飢餓で、意識すら朦朧とする中、廃墟の街を彷徨っていた。
死を目前にした彼女は、名もなき少年が焼いていた一枚の「月の芋(ユーピン)」を最後の食料と交換する。その芋餅を口にした瞬間、玲の身体は超常的な力で再生し、失っていた活力を取り戻す。同時に、その味は、恋人・高遠渉と過ごした平和な時代の記憶を蘇らせた。渉との「魂の契約」を思い出した玲の特異な知覚「クオリア」が覚醒し、世界のノイズの中から渉の「デジタルゴースト」の声を聞く。「魂石を探せ」。思い出の味は、この理不尽な世界と戦うための「決意の味」へと変わった。
力を取り戻した玲は、同じく強化人間である少女「エコー」と出会い、彼女を情報のノイズから救うことを条件に、迷宮の案内役となる「共生の契約」を結ぶ。二人は、データ・ファントムや暴走体が徘徊する迷宮を進む中で、ウロボロスの暗殺者ステュクスと交戦。玲は、極限の戦闘の中で自らの「調律者」としての能力の片鱗を見た。
国際諜報都市カレイドポリス: 太陽フレアによる文明破壊後の世界に存在する、混沌とした都市。かつては光と欲望に満ち溢れていたが、現在は弱肉強食の法則が支配する無法地帯と化している。
虚構迷宮(グリッチ・ラビリンス): ゼロデイ・フレアの影響で、VR空間「カレイドスケープ」のデータが現実世界に上書きされた結果、物理法則が歪んだ迷宮と化したカレイドポリスの姿。
魂石(アニマ・ストーン): 月の裏側で発見された、地球外由来の未知の結晶体。宇宙の設計図「アカシック・レコード」にアクセスするための端末であり、触れた者の精神を侵食する危険な知性体でもある。「創造」と「破壊」の二面性を持つ。
ウロボロス: 人類の意識(クオリア)をデータ化し、永遠の生命を与える「魂のアップロード計画」を目論む秘密結社。感情や自由意志を「バグ」とみなし、それを排除した完璧な世界の創造を目指す。
キメラプロジェクト: ウロボロスが推進する人体実験。魂石の力で人間を「強化人間(エンハンサー)」へと作り変える。